| 銀紙 | 「 |
『恋の腹痛、見ちゃイヤ!イヤ!』、読みました。面白かったですよ
」 |
| 井口 | 「 |
ありがとうございます
」 |
| 銀紙 | 「 |
特に最初と最後、井口さんの妄想が爆発するあたりは筆がのってますよね。この本を読んで思ったのは、AVに出る女の子って“与えられた状況”に対して忠実な人が多いのかなと
」 |
| 井口 | 「 |
ほんとそうですよ
」 |
| 銀紙 | 「 |
その時にやらなきゃいけない仕事だったり、目の前にいる彼氏の暴力だったり、をマトモに受け止めた結果、ひどい目に遭う
」 |
| 井口 | 「 |
そうですね。受け身の子が多いのは確かです。だから、撮る側も、そういう受け身の子に甘えちゃうんですよね。こちらがひどいことを要求しても、女の子はそれに必死で応えようとするから、そこで成立しちゃうんです
」 |
| 銀紙 | 「 |
やっぱり、圧倒的にマゾの人が多いわけですか?
」 |
| 井口 | 「 |
たぶん統計をとったらそうでしょうね。でも、中には世話焼きの人もいますよ。相手が困っていたら「分かったわよ、私がやってあげるわよ」みたいな
」 |
| 銀紙 | 「 |
本の中にも出てきましたよね(笑)」 |
| 井口 | 「 |
「オナラ、かわりに私がしましょうか」みたいな(笑)。だから、超世話焼きか、超受け身か、どっちかです。“いい人”の集まり。きっと「私がしっかりしなきゃダメなんだ」という環境の中で育った女の子が多いんでしょうね
」 |
| 銀紙 | 「 |
井口さん自身も、そんな感じじゃないですか?
」 |
| 井口 | 「 |
そう、僕も断れないんですよね。「 食べてよ 、頼むから」って言われたら……
」 |
| 銀紙 | 「 |
(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
「ちょっと考えさせてください」って言って、10秒後には「分かりました」って」 |
| 銀紙 | 「 |
頼まれた瞬間に答えは出てるんでしょ?
」 |
| 井口 | 「 |
そう(笑)。とりあえず「やらないよりは、やった方がいいんじゃないか」って
」 |
| 銀紙 | 「 |
女優さんたちも、やっぱりそういう好奇心が強いんですか?
」 |
| 井口 | 「 |
そうですね。「せっかくだから」って。何も考えてない子もいますけどね。流されるまま、気が付いたらそうなっていたというか。「せっかくだからレイプされてみようよ」って言われて、「そうだよね、せっかくだから〜」って言っちゃうような人(笑)
」 |
| 銀紙 | 「 |
ところで、井口さん、とんねるずの「食わず嫌い王」とか、好きでしょ。嫌いなものを無理して食べる顔
」 |
| 井口 | 「 |
ああ、ちゃんと観たことないんですけど、いいですよね。この前、卓球少女愛ちゃんが出た回があって。まず、女の子が何かを食べるって行為自体がいいじゃないですか。そこで、愛ちゃんが苦手なものを無理に食べるシーンがあって、それは良かったですね
」 |
| 銀紙 | 「 |
この本を読んでいると、軽く洗脳される感じがありますね。読み進むうちに、「うんこは汚い」ことの理由が自分の中でなくなっていくんですよ(笑)。うんこも自分の身体の一部じゃないかと思えてくる。もちろん雑菌はあるけど、あらゆるものに雑菌はついているわけだし……とか、それまでの自分の常識が揺らいでくる(笑)。「なんで自分はうんこを汚いものと思っていたんだろう?」って
」 |
| 井口 | 「 |
ありがとうございます」 |
| 銀紙 | 「 |
もちろん実物を見ると「うわ!」とか思うんだけど、理屈としては汚くなんかないって洗脳されてしまいました
」 |
| 井口 | 「 |
まあ、もともとは食べ物ですからね」 |
| 銀紙 | 「 |
(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
可愛い女の子が食べ物を食べて、その結果が出ただけですから
」 |
| 銀紙 | 「 |
そうそうそう。“作品”なんですよね。その女の子の
」 |
| 井口 | 「 |
まさにそうです。うんこは女の子から出た無意識の芸術なんです!
」 |
| 銀紙 | 「 |
本当そう。だから、井口さんが「男のうんこはイヤだ」「オバチャンのはイヤだ」って書くのは、そのとおりで。アーティストがいて、そこから出てくるものだから、“誰”が出したものかという付加価値は当然重要なわけで。サインボールみたいなものだよね(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
僕にとってはサインボール、芸術品ですね。だって、好きな女の子だったら、髪の毛とか着てる洋服も愛おしくなるわけじゃないですか。それと同じなんです
」 |
| 銀紙 | 「 |
それがもっと過剰になると、佐川一政さんみたいにカニバリズムになるんだろうけど、井口さんの場合、犯罪にはいかないから
」 |
| 井口 | 「 |
僕はモラルを持って他人を愛したいという気持ちが強いので
」 |
| 銀紙 | 「 |
だから、モラルを持って人を愛せる範囲ギリギリが、この本に書いてある(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
そうですね。たぶんこの本がギリギリです
」 |
| 銀紙 | 「 |
あのー……愛着があるのはどこまでなんですか?
」 |
| 井口 | 「 |
え?
」 |
| 銀紙 | 「 |
女の子がうんこを出したとするじゃないですか。で、出る瞬間は、もちろん愛着があるわけですよね。で、出てから10秒後のうんこは愛おしくて、30秒後のうんこも愛おしくて……どこで魔法がとけるんですか?(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
ああ、でも、「タッパーに入れて持ち帰ろうかな」と思うことは撮影現場でもありますよ。実際にやったことはないんですけど。持ち帰って、家の冷凍庫に入れて、数日経って忘れた頃に「これは何のおかずだったっけ?」ってタッパーを開けた瞬間に、ものすごいにおいがしたら我に還るのかもしれない(笑)。でも、それはセックスも一緒じゃないですか
」 |
| 銀紙 | 「 |
そうですね。AV観て、興奮して、オナニーして、終わったら、画面に映っているのは“肉のかたまり”でしかないですもんね。でも、うんこの場合は最初から“かたまり”だから、魔法がとける瞬間はいつなのかなーと思って」 |
| 井口 | 「 |
まあ……一時間半くらいはもつんじゃないかな
」 |
| 銀紙 | 「 |
(笑)
」 |
| 井口 | 「 |
とりあえずそれくらいはもつような気がするんですけどねー
」 |
| 銀紙 | 「 |
宮藤(官九郎)さんの『真夜中の弥次さん喜多さん』くらいSFXを使えれば、この本の最後のエピソード(「もう一度、妄想の楽園へ」)も映像化できますよね。まあ、お金と時間のかかる話ですけど、そういう映像をぜひ観たいです
」 |
| 井口 | 「 |
ありがとうございます。この本が映画化されるときは絶対に僕が監督やりますから。よし、この本、ハリウッドにも送ろう
」 |
| 銀紙 | 「 |
そこで違う人が監督したらイヤでしょうね」 |
| 井口 | 「 |
三池崇史とか清水祟とかだったら切ないですねー……。では最後に。この本を読んでいただいて、全体的な感想としてはどうでしたか?
」 |
| 銀紙 | 「 |
あのですね、いいフレーズがいっぱいあったんですよ。「街で見かけたうんこ達」とか「黄金色の蛇」とか。あと、巻末ポエム「便よ!」とかね。このポエム、ぜひちゃんと曲をつけてほしいですね
」 |
| 井口 | 「 |
頭の中に浮かんでいるのはユーミンみたいな曲なんですけど」 |
| 銀紙 | 「 |
ああ(笑)。このポエムの中で、便に向かって「あの娘のかけら」って呼びかけるところとか、素晴らしいと思いました
」 |
| 井口 | 「 |
僕も正直、この本をきっかけに……たとえばゲイの人たちは、昔に比べてずいぶん認知されてきているわけじゃないですか。スカトロもそれと同じくらい、恥ずかしいことじゃないんだって風潮に世の中がなればいいんじゃないかと思いますね。この本でその口火を切ることができればと思っています
」 |
| 銀紙 | 「 |
まあ、犯罪ではないですからねー
」
|