松尾 どうなの、最近 」
井口 何度も(担当編集者の)北尾さんに呼び出されて、叱咤されたこと数々です 」
松尾 井口くん、メールやらないからね。メールやると早いんだよね 」
井口 留守電が一日何件も北尾さんから入ってました。ゆうばりの映画祭にも、北尾さんからのファックスが何十枚も入って 」
松尾 あー、俺と同じだ。俺がヴェネチアの映画祭行ったときと同じだ 」
井口 僕は五〇枚以上届きましたよ 」
松尾 いやー、きっついなあ 」
井口 あ、ダメだ。これ、北尾さん聞くんだ 」
松尾 えー、いいじゃん。俺だってやられてるんだから 」
井口 じゃあ、対談です 」


恋の腹痛、見ちゃイヤ!イヤ!


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発売記念対談!
第一回
松尾スズキ×井口昇
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井口 本(『恋の腹痛、見ちゃイヤ!イヤ!』)、いかがでしたでしょうか? 」
松尾 感想というよりも、僕は一応、この本をプロデュースしている立場だから。僕もこの本を世に問う立場だからね。「TVブロス」とかにもこの本のことをふれたし 」
井口 ありがとうございます。今回は特に本屋さんが店に置きづらい本ですから、頑張って宣伝しようかなと思ってるんです 」
松尾 タイトルがタイトル(『恋の腹痛、見ちゃイヤ!イヤ!』)だしね(笑)。でも、表紙にウンコとか描いてないわけでしょ? 」
井口 オビに「スカトロ」って言葉は書いてありますけどね 」
松尾 俺は原稿に「カリスマ スカトロ監督」って書いたんだけど、「カリスマスカトロ」って、なんか「カストロ」みたいで革命家っぽいかな(笑)ちょっとカッコいいかなと(笑) 」
井口 この本の中で、松尾さんが印象に残った部分はどのあたりでした? 」
松尾 やっぱり出てくる人物のキャラが立ってるというか、みんな面白いよね。しかも98%くらい事実だし(笑)。ヘタな小説読むよりずっと面白いよ 」
井口 ありがとうございます。この本を読んで「こんなことありえないだろう」と思う人がいるかもしれないですけど、ほとんど事実です。本当はもっともっと書けない話があるんですけど…… 」
松尾 それを出版記念イベント(4月15日19時〜 @新宿ロフトプラスワン)で話せばいいじゃん。「裏話も全部話しますよ」ってことにすれば 」
井口 ああ、そうですね。出版記念イベントでは、あらいざらい話します! 僕、原稿には自分の日常生活のこともいろいろと書いたんですけど、それは担当編集の人にボツにされましたね。「読者は別に、井口さんのプライベートなんて読みたくないと思うんですよね」って 」
松尾 (爆笑) 」
井口 で、今回はある種のマニア本なんですけど、松尾さん自身はそういう特別な性癖ってあるんでしょうか? 」
松尾 基本的にはノーマルなんだけど、どちらかと言われればSっ気があるのかもしれないな…… 」
井口 『蛇よ!』でも、ちょっとだけSMの話が出てきていましたよね 」
松尾 ヌルーいSMの話ね」
井口 じゃあスカトロとか、とても理解できない感じですか? 」
松尾 どっちかと言うとキレイ好きなんでね(笑)。うんこさえ出てこなければ20%くらいは理解できるかもしれないけど、うんこが出た途端にドン引きになっちゃう(笑)。俺は心が弱いんだな。ネコのうんこ片付けるだけでも吐き気がするくらいなんだから。ネコは可愛いんだけどうんこは憎い、というか“敵”でしかない(笑)。可愛いものから“敵”が出てくるという(笑)悲しい矛盾だよね 」
井口 その“敵”感がいいんですけどね 」
松尾 敵萌えー、みたいな?(笑) 」
井口 どんなに可愛い女の子のうんこでも、必ず“敵”感がありますからね 」
松尾 うんこってある種の“真実”だからね。平等だし 」
井口 そうですね。その平等感がたまらないんです」
松尾 人間としてステージの高い人のうんこだったら見てみたいと思うけどね。そういう人のうんこを見て、「ああ、やっぱり人間は平等なんだな」って思いたい 」
井口 僕が美少女とか美女にこだわるのは、やっぱりそういう部分かもしれないですね 」
松尾 そりゃそうでしょう。そこらへんのオバチャンのうんこ見たって「当たり前」って感じがするからね。敵から敵が出てきただけ(笑)「スーパーマリオ」の最終ステージで出てくる火の玉みたいなさ (笑)。やっぱり落差は必要だよね 」
井口 マニアの人が求めているのは、ほとんどそういうことだと思います 」
松尾 やっぱり昔と比べると、今のスカトロビデオのレベルって変わってきてるの? 」
井口 そうですね、過激志向というか。うんこを食べたり塗ったりする行為自体は、市民権を得ましたね。今はみんな寛容になりましたよ。「一度くらい食ってみようかな」「一度くらい浴びてみようか」って人は増えていると思うんです 」
松尾 まあ犯罪ではないからね。やりたい人は、どんどんやればいいんじゃないですか(笑)。麻薬とか人肉を食べることに比べれば、食糞は合法だからね。いいんじゃないですか 」
井口 そういえば、スカトロクラブで働いていた女の子が、この前、入院しましたけど。うんこを毎日食べる仕事をしていたら、身体からヘンな菌が採れたらしいんです(笑) 」
松尾 そりゃ自業自得でしょう 」
井口 やっぱりそうなんだーと思いました 」
松尾 体内にあってはいけないものを、出しているわけだからね。それをまた食っちゃいけないよね」
井口 僕、仕事で一回口に入れたことがあるんですけど、「これは口に入れちゃいけないものなんだ」って味覚で分かりましたよ。そういうのって、ちゃんと身体が教えてくれるんですね 」
松尾 でも、犬とかだと、ストレスがたまると自分のうんこを食べるよね 」
井口 あれは何なんですかねえ 」
松尾 犬だから、絶対に人間より嗅覚は鋭いわけじゃん。やっぱり相当バカなのかなあ(笑) 」
井口 少しでも食べられそうなものは、何でも食べていこうってことなんですかね 」
松尾 でも、人間のスカトロはサバイバルとは違うし、やっぱりSMに近いものだよね。純粋に興味を突き詰めていくと、もっと激しい世界だったりするんじゃないの 」
井口 だからスカトロマニアの中でも、武闘派とか、叙情派とか、いろいろ分かれるんですよ 」
松尾 (笑) 」
井口 僕はスカトロ叙情派なので、そこで繰り広げられる心理ドラマに興味があるんですけど、もっと直接的に食べたり浴びたりしないと納得しない人もいますね。この本にも書きましたけど、うんこだったら何でもいいという人がいるんですよ 」
松尾 アナーキーだなあ(笑)ある意味、尊敬には値しますけどね。自分には出来ないことが出来るという、その一点のみにおいて(笑) 」
井口 では最後にまとめとして、松尾さんの方からこれを読んでいる方々に何かメッセージをください 」
松尾 とにかく井口くんというキャラクターが一番分かりやすい本というか、井口入門としては最適な一冊というか……(笑) 」
井口 僕に入門したがっている人って、どれくらいいるんですかね 」
松尾 まあ、でも、松尾部から生まれた初の単行本としては、それくらいハードルが高くないと「何やってんだ! 志が低いぞ!」って話だからね 」
井口 発売日は3月23日です。ぜひともよろしくお願いいたします! 」


〜第一回終了〜

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