遂に4月14日から全国公開される映画
『東京タワー
    オカンとボクと、時々、オトン

リリー・フランキーの原作を松尾スズキが脚本化。
同世代で福岡県出身。「仕事」から「見た目」まで何かと共通点を指摘されやすい、おふた方。 この時点でワクワクする方も少なくないでしょう。
このシナリオは、そんじょそこいらのシナリオではありません。
まず、実際の撮影台本ではなく、その前段階の準備稿と呼ばれるシナリオを元にしたものです。
最初、この準備稿を松尾さんから渡された、映画のプロデューサー・孫家邦さんは言いました。
「松尾さん、これ、ものすごくいい。いいんやけど、(長すぎて)撮れないよ(笑)」
これを読んだリリーさんは言いました。
「東京裁判みたいな映画になっちゃう(笑)」
こうして、幻の4時間30分バージョンと呼ばれるシナリオが生まれました。
しかし、このおふたりも含めて、300人を超える映画スタッフの誰しもが、口を揃えて言いました。
「ここ数年、シナリオを読んで、こんなに感動したことはない」
まさに、松尾スズキ版「東京タワー」と呼ぶにふさわしい、ボクとその家族が生きる「現在」と「過去」がテンポよく交錯する構成は、生きることの「猥雑なエネルギー」と過去の時間の美しさを強く感じさせます。
そして、原作にはないオチに、みんなが涙しました。
「40年くらいにわたる話を二時間の台本にしろって言われたら、僕だったら絶対断る」とリリーさんが言う仕事を、「半端なヒット作でないところがいい(笑)」と快諾した松尾さんの男臭も含めて、素っ頓狂なほどに優しい物語を、五感で感じていただければと思います。
2007.4
(扶桑社/山野)