「バカボンドにあとがきはないじゃないか」
同時期に発売された戯曲『ニンゲン御破産』の羨ましすぎるぐらいに素敵なあとがきを立ち読みながら、僕は膝の震えを必死に抑えていた。
あとがきないことないじゃないか。
これぞ究極のあとがきじゃないか。
「絵日記なんだからあとがきなど必要ないじゃないか」
著者が『ニンゲン御破産』にあと書かれていたとはつゆ知らずの昨年末。著者の面倒臭そうなロジックに思わず屈してしまったのにはワケがあります。
売れる単行本。その条件はナイス装丁、ナイス表紙。
あとがきなんかよりもとにかく表紙を! 
まえがきなんて所詮は前戯さ、ノーサンキュー!
男なら、即挿入で内容勝負! 
ウソかマコトか。確か、そんなやりとりがありまして、我々は表紙に一極集中したのでありました。
「じゃあ、ポリゴン風で」
著者はタイ料理屋で何かを頼むみたいな勢いで次なる指令を下されました。
「じゃあ、ムンクの叫びでいいっすか?」
気がつけば、僕は間髪入れずにそう言っていたのです。
ムンクの叫び――僕が大学4年のときに独り失恋旅行に身を委ねていた折、辿り着いたノルウェーで出会ってしまった究極の名画。どことなく破壊的で、それでいて欲情的。僕は著者の絵日記とムンクの叫びをかねてから結びつけていたのでしょう。ポリゴン風の意味などわからず、そう叫んでいたのです。
そして。著者の指令のもと斎藤小番頭氏のナイスCGでなんとも艶かしく素敵な表紙ができあがったのです。
というわけで、著者が叫び続けた激動の1年半弱(00年5月〜01年9月末)の『寝言サイズの断末魔』、是非とも聞いて読んで感じて戴ければ幸いです。
ちなみに、同時期に絶賛発売中の『ニンゲン御破産』と隣り合わせになって陳列されている書店がほとんどですが、渋谷区目黒区港区あたりではたまぁーに『ニンゲン〜』の上段に『寝言サイズの断末魔』が平積んでる場合がございます。御了承ください。では、第二巻(ポリゴン風モナリザの表紙が目印)でお会いしましょう。
(目黒区在住/田辺)