あの本以来、会う人会う人に「瀬尾さんって…あの“セオ”さんです…か?」とそれ はそれは嬉しそうに聞かれます。おとといも聞かれました。もう3年も経つの に。180度世界の違うおしゃれファッション誌に転職して、やれやれと思った のもつかの間、担当させて頂いた漫画家の安野モヨコさんは、なんと庵野監督と つきあい出し、そしてご結婚。そのとき、「セオさんはどこに行ってもまたこの 世界に戻ってきますよ…。そう、因果の世界からは逃れられないんです。まるでモ ナリザの目のようにね!」と言い放った根本敬さんの少年のような瞳を思い出し ました。と同時に、とても本には載せられなかった監督の素敵なトークと悪夢の 一夜は、私がこのまま墓まで持っていこうと心に誓いました。『第三の役たた ず』は表向き何とか本の体裁をとってはいますが、内容的にはぶっこわれたド キュメンタリーです。私も恐ろしすぎて3年以上本を開いていませんが、この仕事 ができたならもう恐いものなしだ、と意味不明の勇気をくれる本です。読んでく れた方にも、まるで役に立たないヤル気と元気を与えてくれるハズだ、と思っています。
(元担当/瀬尾)