「小説っぽい感じで、インパクトのある装丁にしたいんだよね。タイトルは明朝系の書き文字で……」と、電話の向こうから松尾さんの指令。さすが、芥川賞候補作家でいらっしゃる。こちらの予想を3回転半ほど裏切った装丁コンセプトに、聞いて、脱帽しました。ときあたかも2006年、ヒルズ族の「勝ち組」のIT長者たちが、お金をもうけすぎて逮捕されたりして世間を騒がせていたころだったかと。
 つうわけで、以下、内容紹介。
 太陽の塔から落っこちて、お父ちゃんが死んで――「人類の進歩と調和」の狂騒にうかれていた1970年の大阪を舞台に、母娘三代、お金に泣かされっぱなしな家族の物語。大人計画の本公演用に久しぶりに書き下ろした、ファン待望の最新作です。今までになく「学生運動」が語られもし、京都大学大学院出身のウンコな哲学者や、早稲田大学仏文科出身のチキンな活動家とか、フェミニズム運動にのめりこんでいく女性革命家らも、カレーに活躍します。
(白水社編集部/和久田)