なんてったって、岸田賞受賞作品。ぼくは大人計画の舞台は『溶解ロケンロール』の頃から見てきたのですが、やっぱこの作品は、松尾さんの戯曲(と役者さんたち)の一つの到達点かと。岸田賞の授賞式に間に合わせるかたちで刊行したんですけど、あの授賞式は面白かったですね。いや、前代未聞ッスよ。松尾さんてば、副賞の賞金を受け取るなり、賞金の一部(たしか1万円)を供出して、式の出席者全員で、ジャンケンによる争奪戦を始めるんですから。ぼくは授賞式の司会をしてたんですが、けっこう最後のほうまで残ってしまい、ふと気がつくと宮沢(章夫)さんも勝ち残っていて、「和久田君、そんなことでいいのか。でも、おれは、負けないね」と言われた記憶も。ちなみに、岸田賞の正賞は(懐中)時計なんですが、松尾さんのときには、Spoonの別注(ていうか、受賞記念の印刻入り)です。
つうわけで、以下、内容紹介。
この世にはびこる「罪と罰」を笑いのめせ! お笑いTV番組の制作者シマジとその同僚は、バッド・トリップにのみこまれてゆき……。暴力と悪趣味に浸された「自分探しの哲学」――特異な設定・卑俗な若者言葉も巧みに、障害者差別やいじめ問題をも鋭く告発した、第41回岸田國士戯曲賞受賞作品。
(白水社編集部/和久田)